自然界のルール
チャミズゴケ、イボミズゴケ、ムラサキミズゴケなどのミズゴケ類の中に、ツルコケモモやヒメシャクナゲ、ヌマガヤがまばらに生育して小山状・凸レンズ状に発達している全体を高層湿原といいます。
この高層湿原では、地下水やあるいは土壌水に関係なく、蓄積した泥炭に雨水がスポンジ状にたくわえられています。
養分を含まないその雨水だけの中で、ミズゴケ類が発達しているのです。
高層湿原を横から見ると、さらにシュレンケといわれる水がたまっているような凹状地と、ミズゴケが盛り上るように生育しているブルトといわれる凸状地とが交互に発達しています。
私たちが尾瀬ヶ原湿原の十字路やサロベツ原野でこのような高層湿原を見る時、凸状地と凹状地、シュレンケとブルトがバランスがとれて、そのままの形でいつまでも持続しているように受けとりやすいものです。
しかし、数年あるいは数十年の時間をかけて定点観測すると、移動能力のない植物の社会でも、きわめてダイナミックな環境形成と個体群の急速な発達・・・
さらにそれによる環境の荒廃、激減というドラマティックなまでの相互の発達・退行・再発達の動態がみられるのです。